株式会社フィールフロウは、2026年9月8日、AIを活用した開発メソドロジー「AI仕様駆動開発」の新版 「AI仕様駆動開発2.0」(ASDD 2.0) の標準仕様と公式実装を公開しました。
標準仕様は、当社が定める方法論の正本として、GitHubの公式リポジトリで公開しています。公式実装は、既存のClaude Code・Codex向けプラグイン「ff-dev-toolkit」に2.0の入口を追加した v0.92.0 として提供を始め、その後も改良を続けています。標準仕様と公式実装は、どちらも無料で利用できます(Claude Code・Codexの利用環境は別途必要です)。
2.0で見直したこと
2025年7月に公開したAI仕様駆動開発は、仕様書をAIへの入力として位置づけ、7つの文書を起点に開発を進める方法論です。従来は、7文書のひな形を最初に用意する進め方でした。
2.0では、AIとの対話で目的・制約・進め方を合意し、必要な文書・AI設定・作業管理・検証を一貫して整えることを目的にしています。短い入口の文書から必要な分だけ作れるようにし、小さな試作や、業務の担当者が自分でツールを作る「市民開発」でも始めやすくしました。
主な特徴
1. 対話で目的・制約・進め方を合意する
初期構築の入口(スキル)asdd-init では、AIが既存の資料やコードを読み、目的、利用者、完成条件、扱うデータ、予算や環境などの制約を少しずつ確認します。推奨する構成と代替案を、理由、費用や運用の負担、注意点とあわせて示し、ユーザーが合意した内容だけを反映します。
日々の依頼、作業の再開、進み具合の確認は asdd-work が受け持ちます。
2. 7文書を「7つの観点」として扱う
7文書を最初からすべて埋める必要はありません。入口となるMASTERと、目的・業務・構成・実装・検証・運用を合わせた7つの観点ごとに、必要な内容と未決事項を整理し、短いMASTERから始めます。情報が増えてきたら、用途に応じて文書を分けていきます。
3. 利用スタイルと段階に合わせて選べる
「市民開発」と「開発者向け」という利用スタイル、「試作・PoC」と「継続運用」という段階を分け、文書・レビュー・検証・作業管理の初期推奨を変えています。
複数AIによるレビュー、自動振り返り、知見の蓄積(ACE)、Hook、CIは個別に選べます。新しく2.0で構成したプロジェクトでは、ACEと自動振り返りは初期状態で無効です。
4. 「事実」「決定」「提案」「未決」を区別して記録する
確認済みの事実、合意済みの決定、提案中、未決の4つを区別して記録します。AIが未確認の内容を推測で埋めたり、返事がないことを承認とみなしたりしないよう、標準仕様で定めています。
5. 一律のルールを「推奨候補」に見直し
2.0の標準仕様と初期構築(asdd-init)では、従来のテンプレートが一律に示していた基準を見直しました。たとえば「テストカバレッジ80%以上」は、重要な業務と失敗時の影響から対象を選び、数値目標が必要なら根拠と測定方法を合意する形に改めました。「TypeScriptのstrictモードを常に必須」は、新規のTypeScriptでの推奨候補とし、既存の構成では互換性と段階的な導入を検討します。
利用方法
- 標準仕様・適合条件・導入/移行ガイド: github.com/feel-flow/ai-spec-driven-development
- 公式実装(ff-dev-toolkit): github.com/feel-flow/ff-dev-toolkit
Claude Codeでは、ターミナルで次のコマンドを実行して導入できます。実行にはNode.js 22以上が必要です。
claude plugin marketplace add feel-flow/ff-dev-toolkit
claude plugin install ff-dev-toolkit@ff-dev-toolkit
業務の担当者向けには、同じ入口(asdd-init・asdd-work)を備えた市民開発向けプラグイン「ff-work-toolkit」も公開しています。詳しくは紹介記事をご覧ください。
すでにAI仕様駆動開発を使っているプロジェクトは、2.0の設定を明示的に追加するまで従来どおり動作します。2.0へ移る場合は、導入/移行ガイドで対応版と条件を確認してください。
標準仕様のリポジトリは、テンプレートのコア7文書がApache License 2.0、それ以外のファイルがMIT Licenseです。公式実装のff-dev-toolkitはApache License 2.0で公開しています。標準仕様リポジトリのIssue・Discussion、ff-dev-toolkitのIssueでフィードバックを受け付けています。
書籍で体系的に学ぶ
AI仕様駆動開発の全体像を体系的に学びたい方には、Kindle版の書籍『AI仕様駆動開発 公式ガイド』(有料)も販売しています。
導入のご相談
チーム向けトレーニングを含むAI仕様駆動開発の導入支援(伴走コンサルティング)のご相談は、AI仕様駆動開発のページをご覧のうえ、お問い合わせフォームからお寄せください。


