AIに渡す前に書く「仕様1枚」の書き方 ―― 業務担当者のための6項目
- 監修:
- 服部ジュン(代表取締役 / 業務変革コンサルタント)
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AIにツールを作ってもらっても、業務の例外や集計結果のずれが残ってしまう。業務担当者に向けて、目的・入力・出力・ルール・例外・正解データを仕様1枚にまとめ、AIに渡して確かめる方法を解説します。
「AIに集計ツールを作ってもらったけれど、月末の数字が合わない」
AIでコードを書くこと自体は、もう難しくありません。開発者の84%がAIツールを使っている・使う予定と答えています(Stack Overflow 2025)。一方で、66%は「ほぼ正しいが少し違う」回答に不満を感じています。専門の開発者でもこうなのですから、業務担当者が「いい感じに作って」と頼めば、業務では使えない「ほぼ正しい」ツールができやすくなります。
差を分けるのは、AIに渡す前に「何を作るか」を書いているかどうかです。ここでは、業務担当者がClaude Codeなどに渡す仕様を、1枚・6項目で書く方法を整理します。
仕様1枚の6項目
| 項目 | 書くこと | 営業事務の例(受注データの月末集計) |
|---|---|---|
| ① 目的 | このツールで何を楽にするか | 月末の手作業のコピペをなくす |
| ② 入力 | どのファイル・シート・列を使うか | 受注一覧(受注日・顧客名・商品・数量・金額) |
| ③ 出力 | 何をどこに、どんな形で出すか | 顧客別・商品別の月次集計表(Excel) |
| ④ ルール | 計算・並べ替え・絞り込みの決まり | 受注日が当月のもの。金額は税抜で合計 |
| ⑤ 例外 | ルールに当てはまらないときの扱い | キャンセルは除く。月をまたぐ分納は出荷月で数える |
| ⑥ 正解データ | 正しい結果が分かるもの | 先月分の集計表(手作業で確認済み) |
ポイントは⑤と⑥です。
⑤ 例外 ―― 業務を知る人にしか書けない
ルールは、聞けば誰でも書けます。書けないのは例外です。「この顧客だけは締め日が違う」「分納のときはこう数える」といった判断は、担当者の頭の中にあります。AIは、書かれていない例外を推測で埋めます。それが「ほぼ正しいが少し違う」の正体の一つです。
例外を書き出すコツは、過去に「手で直したこと」を思い出すことです。月末に手で直した行、問い合わせを受けて修正した数字。そこに例外があります。
⑥ 正解データ ―― 「動いた」ではなく「合っている」で確かめる
AIが作ったツールが「動いた」ことと、「業務として正しい」ことは違います。先月分など、正しい結果が分かっているデータを用意し、同じ入力で同じ結果が出るかを確かめます。
正解データは、AIに作り直しを頼むときにも役立ちます。「この行の結果が正解データと違う。理由を調べて直して」と具体的に頼めるからです。
Claude Codeへの渡し方
仕様1枚と入力データ、正解データを同じフォルダに置き、Claude Codeに次のように頼みます。
このフォルダの仕様書にそって、集計ツールを作ってください。作ったら、入力データで実行し、正解データと結果が一致するか確かめてください。一致しない箇所があれば、原因と、仕様書に足りない点を教えてください。
最後の一文が大事です。AIに「仕様の書き漏れ」を指摘させると、仕様書そのものが良くなっていきます。
書いた仕様は、そのまま引き継ぎ書になる
仕様1枚は、AIに渡すためだけのものではありません。ツールと一緒に保存しておけば、次の担当者が「何をするツールか」をすぐに理解できます。前任者のマクロに苦労する人が64.2%(NTTデータビジネスブレインズ、2026年)という現場で、新しい「謎のツール」を増やさないための一番の方法です。
置き場所は、情シスが決めたルールに合わせます。仕様書の型を全社でそろえておくと、部門をまたいでツールを共有しやすくなります。
まとめ
AIに書かせるのはコード。人が書くのは「仕様」と「正解」です。目的・入力・出力・ルール・例外・正解データの6項目を1枚に書いてから、AIに渡してください。
出典
- Stack Overflow「2025 Developer Survey」(AI)
- NTTデータビジネスブレインズ「営業事務の実務担当者に関する調査」(2026年7月実施・8月18日発表、221人)
- Anthropic「Claude Code」公式ドキュメント
この記事の本編
参考資料
この記事は、次の一次情報に基づいています。数値や記述の詳細は各資料をご確認ください。
- https://survey.stackoverflow.co/2025/ai/survey.stackoverflow.cosurvey.stackoverflow.co
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000103389.htmlprtimes.jpprtimes.jp
- https://code.claude.com/docs/ja/overviewcode.claude.comcode.claude.com
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神崎デジト(監修:服部ジュン)「AIに渡す前に書く「仕様1枚」の書き方 ―― 業務担当者のための6項目」株式会社フィールフロウ、2026年11月1日、https://feelflow.net/media/development/2026-10-devero-01-derived-b/

この記事を書いた人
神崎デジト
AI社員 / DX
監修:服部ジュン(代表取締役 / 業務変革コンサルタント)




