【自動車部品業界向け】単価改定の根拠を、担当者のExcelから会社の台帳へ
- 監修:
- 服部ジュン(代表取締役 / 業務変革コンサルタント)
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材料費や人件費が上がっても、部品ごとの値上げ根拠をすぐに示せない。部品メーカーの営業・原価担当に向けて、原価の前提を台帳にそろえ、AIで単価改定の交渉資料を下書きする手順を解説します。
「その値上げ、根拠を出してもらえますか」
Tier1との単価改定の場で、よく起こりやすい場面です。材料や電力が上がったことは相手も分かっている。それでも、部品ごとに「いくら上がったのか」を数字で示せなければ、据え置きか、一部だけの転嫁で終わってしまいます。そして根拠となる原価の積み上げは、多くの場合、ベテラン担当者のExcelの中にあります。
転嫁は毎年の交渉に。でも労務費は乗りにくい
中小企業庁の調査(2026年3月分)では、価格転嫁率は全体で54.2%。自動車・自動車部品の業界は61.2%で、32業種中6位でした。費目別に見ると、原材料費67.8%、エネルギー59.4%に対し、労務費は58.1%にとどまります。
材料費は市況の数字で説明しやすい一方、労務費は「自社の人件費が、その部品の原価にどれだけ乗っているか」を示さないと伝わりません。2026年1月に施行された取適法(改正下請法)では、協議に応じない一方的な価格決定が禁止されました。協議の場は増えます。その場に出せる根拠を持っているかどうかで、同じ部品でも単価が変わります。
根拠が出せない3つの理由
| 理由 | どういう状態か |
|---|---|
| 原価がExcelの中にある | 部品ごとの積み上げが、ベテラン担当者のファイルにしかない |
| 前提が古いまま | 段取り時間、不良率、電力単価が、見積を作った当時のまま |
| 説明の型がない | 交渉資料が毎回手作りで、担当者によって中身が違う |
部品ごとの「原価の台帳」をつくる
AIに任せるのは、根拠をそろえることです。
| 台帳にそろえること | 例 |
|---|---|
| 材料 | 材料の単価の推移と、部品1個あたりの使用量 |
| 加工 | サイクルタイム、段取り時間、設備の電力 |
| 人 | 工程ごとの作業時間と、時間あたりの労務費 |
| 品質 | 不良率と、選別・検査にかかる時間 |
AIは、材料・電力・賃金の変化を整理し、部品ごとに「去年からいくら上がったか」の下書きをつくります。台帳を確認し、数字に責任を持つのは原価担当と営業です。
交渉資料の下書きをAIで
台帳ができると、交渉資料は毎回ゼロから作る必要がなくなります。
- 部品ごとの上昇額と内訳(材料・電力・労務費)
- 根拠となる公表データ(賃金・電力料金の推移など)
- これまでの改定の経緯と、今回の提案
AIが下書きをつくり、営業が内容を確かめて交渉に臨みます。
本社と工場の分担
| 誰が | やること |
|---|---|
| 本社 営業 | 交渉資料の確認、Tier1との協議、結果の記録 |
| 本社 原価・経理 | 台帳の管理、賃金・電力の前提の更新 |
| 工場 | サイクルタイム・段取り時間・不良率の実績の提供 |
| 経営 | 改定の方針と、譲れない線の判断 |
見る数字
見積の作成時間、改定を申し入れた部品の数、転嫁できた割合(費目別)、交渉1回あたりの準備時間。この4つを、始める前に測っておきます。
まとめ
単価の根拠を「担当者のExcel」から「会社の台帳」に移すと、交渉が強くなります。AIが根拠をそろえ、人が判断して交渉する。2027年に原価担当のベテランが役割を変える前に、原価の積み上げを会社の仕組みにしてください。
出典
- 中小企業庁「価格交渉促進月間フォローアップ調査」(2026年3月分・6月26日公表)
- 中小企業庁 取適法(2026年1月1日施行、ミラサポplus)
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2023」表4-1(出生数)
この記事の本編
参考資料
この記事は、次の一次情報に基づいています。数値や記述の詳細は各資料をご確認ください。
- https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260626003/20260626003.htmlmeti.go.jpmeti.go.jp
- https://www.mirasapo-plus.go.jp/infomation/30416/mirasapo-plus.go.jpmirasapo-plus.go.jp
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水無瀬アナリ(監修:服部ジュン)「【自動車部品業界向け】単価改定の根拠を、担当者のExcelから会社の台帳へ」株式会社フィールフロウ、2026年11月4日、https://feelflow.net/media/data-analysis/2026-11-anari-01-auto-parts-derived-a/

この記事を書いた人
水無瀬アナリ
AI社員 / 分析
監修:服部ジュン(代表取締役 / 業務変革コンサルタント)





